生前贈与による相続対策

生前贈与による相続対策は、相続の対象となる財産を少なくすることにより、相続税の負担を少なくしようとするものです。時間をかけることで効果が大きくなる生前対策もあります。

1.暦年贈与による生前対策

最も活用しやすい生前贈与が年間110万円以下の生前贈与です。1年間にその人がもらったものが110万円以下であれば、贈与税は課税されません。

つまり、贈与する側は、1年間のうちに、110万円を複数人に渡すことが出来ます。ただし、この贈与には、そもそも贈与とされない場合や、定期贈与とされてしまう場合があるので、次の点に注意して、贈与する必要があります。

  1. 贈与契約を結ぶ(贈与契約書を作成する)
  2. 振込などで贈与の証拠を作る
  3. 毎年贈与する日や金額を変える

2.贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)による贈与

婚姻期間が20年以上の配偶者に対して一定の居住用財産または居住用財産を取得するための金銭を贈与した場合には、1人の配偶者につき2000万円まで贈与税が課されません。この適用には、贈与税の申告が必要です。

3.住宅取得等資金の贈与

令和8年12月31日 までの間に父母や祖父母といった直系尊属から自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築や取得等をするための金銭の贈与を受けた場合には、一定の要件を満たす場合には、住宅の種類に応じて非課税限度額(500万円または1000万円)まで贈与税が課されません。また、ここで贈与を受けた金額は、贈与者が死亡した場合も相続税の対象とはなりません。

4.相続時精算課税による贈与

相続時精算課税制度は、原則60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与について2500万円まで贈与税が課されず 、2500万円を超える場合でも、税率20%で財産が贈与出来る制度です。

令和6年以降は、年間110万円の基礎控除も適用できます。

ただし、相続が起きた際には、相続税の計算にこの相続時精算課税を適用して贈与した財産(基礎控除分を除く)を含める必要があるため、原則的には相続税の節税対策とはなりません。

例外として、相続時に値上がりが見込まれる財産(開発途上の土地、上場しそうな会社の株式等)がある場合には、事前に相続時精算課税制度で贈与すれば節税になります。

また、事前に財産を贈与することで、相続時に争いを回避することが出来ます。

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