借入金による相続対策

借入金による相続対策

借入金による相続対策とは、簡潔にまとめると、相続税法上の不動産の時価と評価額の乖離を利用した、節税方法です。

よく、借入をすればその分だけ相続財産が減少すると思っている方もいらっしゃいますが、そうではありません。

例えば、1億円の借入金をした場合、確かに相続財産から1億円を差し引くことができますが、その借り入れた1億円のキャッシュは相続財産を構成しますから、全く意味がありません。むしろ借入金にかかる利息が無駄になります。

では、借入金をどのようにすれば相続対策として有効なのでしょうか。

はじめに記載の通り、借り入れたキャッシュを不動産の購入又は建築に充てることになります。

そうすることにより、マンションを購入した場合には最低でも約50%は財産を圧縮することができます。また、購入したマンションを賃貸に出すことにより、更に約20%圧縮することが可能です。

具体的には1億円の借入を行い、賃貸マンションを購入、貸しつけた場合、何もしなければ1億円で評価されていたキャッシュの評価額が、不動産に変換されることにより約4,000万円の評価となります。これに対して借入金はそのまま1億円を財産から控除することができます。したがって差額6,000万円分の課税財産圧縮効果があるということです。

借入による相続対策は慎重に!

購入した不動産に借り手がつかなかった場合等には、その借入金の返済は自己資金よる返済となります。そのため、貸し付けることを前提とした借入による不動産購入を行う場合には、市場調査等を慎重に行い、空室リスクの少ないものを購入する必要があります。

また、貸し付けることを前提としない不動産購入を行う場合には、その返済に充当するためにある程度のキャッシュが手元にあることが多いと思います。その場合、わざわざ借入をせず、自己資金でまかなえる程度の不動産購入を検討するべきでしょう。

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