投資用マンション購入による相続対策
相続財産の減額効果
投資用マンションを購入した場合には、現金という相続財産が不動産に転換されることにより、評価額は大幅に下がります。その理由は次のとおりです。
マンションの場合、その敷地をおおよそ床面積に応ずる持分で所有することになるため、土地の評価額が低くなります。つまり、敷地に対する部屋数が多いほど節税効果が高いということになります。
また、同じ間取りであっても通常階層が上がるごとに価格も上がるため、評価額と価格との開差が大きくなります。なお、このような開差を縮小するため、令和6年1月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した居住用マンションの評価額の計算方法が改正され、このようなプレミア的な価値が反映されるようになっています。
◆具体例
購入価額:1億円
相続税評価額:4,416万円
差額:5,584万円
◆土地の評価額(相続が令和6年1月1日以降の場合)
土地に面する道路の路線価:80万円
敷地全体の面積:3,000u
マンションの戸数:200戸(各戸の専有面積は同じとする)
1部屋あたりの土地持分:3,000u÷200=15u
区分所有補正率:2.0(マンションの築年数、総階数、所在階、専有部分・敷地の面積から算出)
借地権割合:70%(地域ごとに指定)
借家権割合:30%(全国共通)
土地の評価額:15u×80万円=1,200万円
区分所有補正率による補正:1,200万円×2.0=2,400万円
貸家建付地としての評価:2,400万円×(1−0.7(借地権割合)×0.3(借家権割合))=1,896万円
◆建物の評価額(相続が令和6年1月1日以降の場合)
住戸部分の固定資産税評価額:1,800万円
区分所有補正率:2.0(土地と同じ)
建物の評価額:1,800万円(固定資産税評価額と同額)
区分所有補正率による補正:1,800万円×2.0=3,600円
貸家としての評価:3,600万円×(1−0.3(借家権割合))=2,520万円