相続税精算課税制度とは

「暦年課税方式」と「相続時精算課税方式」

贈与税を計算する方法には、「暦年課税方式」と「相続時精算課税方式」の2つの方法があります。 一般的に言われている贈与税の計算方法は「暦年課税方式」と呼ばれるもので、1年間に贈与により受け取った全て財産の合計額から基礎控除額(110万円)を引いた金額に税率をかけて税額を求める方法です。この方法では贈与税と相続税を切り離して計算します(ただし、相続開始前3年以内の贈与を除きます)。

また、「相続時精算課税方式」とは、一定の要件を満たした場合に適用が可能な方法で、暦年課税方式と違い、相続税の計算時に贈与税が精算される一体方式です。

親から子への財産移転がスムーズになされる事を目的として制定されました。

相続税精算課税制度とは

相続時精算課税制度は、特別控除額として2,500万円の非課税枠がありますので、大きな金額の贈与をしやすいという特徴があります。その他の特徴には下記に掲げた点があります。

■相続時精算課税方式を選択するためには、下記「適用を受けるための条件」に該当する必要があります。

■相続時精算課税方式の選択は、財産をもらう者(子)が財産を渡す者(親)ごとに行うことができます。たとえば、父からの贈与は相続時精算課税方式で計算し、母からの贈与は暦年課税方式で計算する、という選択が可能です。

■相続時精算課税方式の場合は、基礎控除額110万円の控除はありません。

■贈与を行う財産の種類や金額、および贈与の回数には制限がありません。

■贈与時には下記「贈与税額の計算方法」に基づいて贈与税額が計算され、相続時では、その贈与財産の贈与時の価額を相続財産の価額に合算して相続税を計算します。

■相続時に精算した結果、贈与税を払い過ぎていた場合には、払い過ぎた贈与税部分の還付をうけることができます。

■相続時精算課税の適用をとりやめることはできません。いったん父親からの贈与について相続時精算課税の選択をした場合には、その後の父親からの贈与は全て相続時精算課税方式で贈与税を計算するため、暦年課税方式で計算することはできません。

贈与税額の計算方法(相続時精算課税方式)

(贈与財産の額 − 特別控除額※) × 20%
※限度額が2,500万円です。ただし、前年以前に既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度となります。

適用を受けるための条件

■財産を渡す者は、65歳以上の親であること。

■財産をもらう者は、財産をもらう者の推定相続人である20歳以上の子(子が既に亡くなっている場合は、20歳以上の孫も含みます)であること。

■財産をもらう者が、「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告期限(贈与年の翌年3月15日)までに贈与税の申告書に添付した上で提出すること。
※なお、年齢は贈与年の1月1日時点のもので判断します。

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