代襲相続とは

被相続人(亡くなった方)の相続人となるべき人が既に死亡していた場合や、相続人に相続欠落や相続排除があった場合に、その子供は親の代わりに相続人となることができます。これを、代襲相続といいます。

具体的には、被相続人の子供が既に亡くなっている場合には、その子供(孫)が代襲相続をすることになります。また、被相続人に子も親もおらず、兄弟も既に亡くなっている場合には、その兄弟の子供が代襲相続をすることとなります。

子の子供は何世代でも、兄弟の子供は1世代だけ

被相続人の子に相続人の権利が無い場合には、その子供、つまり被相続人から見て孫が代襲者になることができます。さらに、その孫も既に亡くなっていたり、相続欠落や相続排除があった場合には、その子供であるひ孫が代襲相続することになります。このように、子の子供(直系卑属)は何世代でも代襲相続が認められています。

一方、被相続人の兄弟の子孫が代襲相続しようとする場合は、1世代、つまりその兄弟の子供にしか代襲相続は認められず、兄弟の孫が代襲相続をすることは認められていません。

相続欠落と相続排除

代襲相続が起こり得る場合として、相続人に、相続欠落や相続排除があった場合があります。相続欠落とは、一定の理由により、相続人としての資格が認められないことをいいます。

相続排除とは、推定相続人(相続の開始時に相続人となるべき者)に一定の廃除理由がある場合に、被相続人の意思によりその相続権を剥奪することをいいます。

民法には、相続欠落や相続排除の事由が次のように定められています。

相続人の欠落事由(民法891条)

一  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

二  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

三  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者

四  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

五  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

推定相続人の廃除(民法892条)

遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

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